設計・施工管理
大臣認定は、申請者が耐火試験を行い、評価された範囲の構造・材料・寸法どおりの条件で認められます。
従って実際の適用にあたっては、それらの条件を満たさないと大臣認定工法として認められません。
大臣認定の付帯条件は、それぞれの工法毎に異なります。その主なものは下記のとおりです。
1.貫通する壁/床の構造 | ケーブルが貫通する壁、床の構造の条件です。 |
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2.開口部断面積 | 防火区画の壁・床にケーブルを貫通させる開口の大きさ(m2で表します)で、試験時の開口断面積以下で使用できます。 |
3.貫通ケーブルの種類、導体サイズ | 導体サイズは試験時の最大サイズ以下で使用できます。ただし、サイズによって処理方法が異なる場合があるので注意が必要です。 |
4.占積率 (%) | - |
5.寸法 | 耐熱シール材の盛り上げ等寸法に条件があり、その寸法を守る必要があります。 |
なお、会員は施工会社からの請求に基づき、大臣認定工法通りの施工に対して認定番号、認定取得社名を表示した「工法表示ラベル」を発行しています。
施工会社は、施工会社名と施工年月及び講習会修了番号を記載の上、処理部周辺の見やすい位置に貼付することになっています。
大臣認定工法例
大臣認定工法の種類は非常に多く、各社の工法はそれぞれ異なっています。
ケーブル防災設備協議会ではこれらを開口形状別に分類し、さらに基本的な構造により、いくつかのタイプに分類しています。各タイプの工法の概要は以下のとおりです。
開口形状による分類
基本的な構造による分類
以下の工法はスリーブ、バスダクト等の部材が使用されていても対応している場合があります。
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耐火仕切板工法
耐火仕切板で開口部を覆い、隙間を耐熱シール材で埋める工法。
耐火仕切板を片側のみ貼り付ける「片側工法」と呼ばれる工法と、両面に貼り付ける「サンドイッチ工法」と呼ばれる工法があります。
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充填工法
開口部に耐火充填材又は耐熱シール材または耐火ブロック等をつめる工法です。
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ユニット工法
形状の決まったユニットをケーブル周りに取り付けて処理を行う工法です。
まとめ
情報化の進歩は大量のケーブルを必要とし、それとともにケーブル火災の危険性が大きくなっています。
ビル内に縦横無尽に張り巡らされたケーブルの延焼を防止するには、防火区画の壁や床をケーブルが貫通する部分で適切な防火措置を施すことが最も有効です。
今日広く用いられている大臣認定工法の果たす役割はさらに大きくなり、施工に携わる方々が材料・施工管理をきちんと行っていくことが重要です。