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Q
防火材料とは何を指すか?
A建設省通達昭和44年住指発第325号「防火材料認定要領」の中で、不燃材料、準不燃材料、難燃材料、更に準難燃材料を総称して「防火材料」と定義していますが、建設省通達平成12年住指発第682号第2「防火に関する基準の見直しについて」の中で、不燃材料、準不燃材料及び難燃材料について、「技術的基準に適合するものとして、不燃材料等である建築材料」と記されており、現在の建築基準法、建築基準法施行令、建設省告示には、準難燃材料に関しての規定は述べられておりません。
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Q
不燃材料とはどのように規定されているか?
A建築基準法第2条第九号に、建築材料のうち、不燃性能に関して政令で定める基準に適合し、国土交通大臣が定めたものあるいは認定したものと定められています。
政令では、その技術的基準は加熱開始後20分間次の要件を満足することとしています。(建築基準法施行令第108条の2)
- 燃焼しないもの
- 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること
- 避難上有害な煙またはガスを発生しないものであること
また、国土交通大臣が定めた不燃材料は、平成12年5月30日建設省告示第1400号(平成16年9月29日国土交通省告示第1178号により改正)にて以下の様に示されています。
1. コンクリート、2. れんが、3. 瓦、4. 陶磁器質タイル、5. 繊維強化セメント板、6. 厚さが3mm以上のガラス繊維混入セメント板、7. 厚さが5mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板、8. 鉄鋼、9. アルミニウム、10. 金属板、11. ガラス、12. モルタル、13. しっくい、14. 石、15. 厚さが12mm以上の石膏ボード(ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のものに限る)、16. ロックウール、17. グラスウール板
不燃材料の指定方法であった昭和45年建設省告示第1828号は廃止され、国土交通大臣の認定を受けるための不燃性能は、国土交通大臣に指定された指定性能評価機関による不燃性能試験に規定され、次の(1)又は(2)のいずれかを満足した場合、不燃材料と認められます。
(1)
不燃性試験又は発熱性試験のいずれかに合格し、かつガス有毒性試験に合格したもの。
(2)
不燃性試験又は発熱性試験のいずれかに合格し、かつ不燃材料の基材に化粧を施したもので、その化粧層の有機化合物の合計質量が200g/m2以下のもの、及び予め基材の表面に木質系の材料等が施されている場合の化粧層の有機質は、表面に木質系部分を加味した総有機質の合計質量が400g/m2以下のもの。
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Q
準不燃材料とはどのように規定されているか?
A建築基準法施行令第1条第五号に建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に加熱開始後10分間、不燃材料の技術的基準と同じ3項目の要件を満足したとして、国土交通大臣が定めたものあるいは認定したものを準不燃材料として定められています。
また、国土交通大臣が定めた準不燃材料として、平成12年5月30日建設省告示第1401号にて以下の様に示されています。- 不燃材料のうち国土交通大臣が定めたもの
- 厚さが9mm以上の石膏ボード(ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のものに限る)
- 厚さが15mm以上の木毛セメント板
- 厚さが9mm以上の硬質木片セメント板(かさ比重が0.9以上のものに限る)
- 厚さが30mm以上の木片セメント板(かさ比重が0.5以上のものに限る)
- 厚さが6mm以上のパルプセメント板
また、国土交通大臣の認定を受けるための準不燃性能は、国土交通大臣に指定された指定性能評価機関による準不燃性能試験に規定され、次の(1)又は(2)のいずれかを満足した場合、準不燃材料と認められます。
(1)
発熱性試験又は模型箱試験のいずれかに合格し、かつガス有毒性試験に合格したもの。
(2)
発熱性試験又は模型箱試験のいずれかに合格し、かつ不燃材料又は準不燃材料の基材に化粧を施したもので、その化粧層の有機化合物の合計質量が不燃材料の基材にあっては200g/m2以下のもの、準不燃材料の基材にあっては100g/m2以下のもの、及び予め基材の表面に木質系の材料等が施されている場合の化粧層の有機質は、表面に木質系部分を加味した総有機質の合計質量が400g/m2以下のもの。
また、これらの性能を規定化し明確化したことで、準不燃材料といえば、不燃材料を含み、上位構造が下位構造を含むこととして整理されています。
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Q
難燃材料とはどのように規定されているか?
A建築基準法施行令第1条第六号に建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に加熱開始後5分間、不燃材料の技術的基準と同じ3項目の要件を満足したとして、建設大臣が定めたものあるいは認定したものを難燃材料として定められています。
また、国土交通大臣が定めた難燃材料として、平成12年5月30日建設省告示第1402号にて以下の様に示されています。- 準不燃材料のうち国土交通大臣が定めたもの
- 難燃合板で厚さが5.5mm以上のもの
- 厚さが7mm以上の石膏ボード(ボード用厚さが0.5mm以下のものに限る)
また、国土交通大臣の認定を受けるための難燃性能は、国土交通大臣に指定された指定性能評価機関による難燃性能試験に規定され、次の(1)又は(2)のいずれかを満足した場合、難燃材料と認められます。
(1)
発熱性試験又は模型箱試験のいずれかに合格し、かつガス有毒性試験に合格したもの。
(2)
発熱性試験又は模型箱試験のいずれかに合格し、かつ不燃材料、準不燃材料又は難燃材料の基材に化粧を施したもので、その化粧層の有機化合物の合計質量が不燃材料の基材にあっては200g/m2以下のもの、準不燃材料及び難燃材料の基材にあっては100g/m2以下のもの、及び予め基材の表面に木質系の材料等が施されている場合の化粧層の有機質は、表面に木質系部分を加味した総有機質の合計質量が400g/m2以下のもの。
また、これらの性能を規定化し明確化したことで、難燃材料といえば準不燃材料、不燃材料を含む事となり、前項目と同様、上位構造が下位構造を含むこととして整理されています。
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Q
建築材料を性能試験によってまとめるとどのようになるか?
A性能試験 建築材料 不燃材料 準不燃材料 難燃材料 不燃性試験または発熱性試験 ○ 模型箱型試験または発熱性試験 ○ ○ ガス有害性試験 〇 〇 〇 〇・・・・・・適用を受ける試験項目
(注) 準不燃材料と難燃材料に適用される試験項目は同じでも、判定の基準が異なるなどの違いがあります。
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Q
大臣認定工法に使用される材料にはどんなものがあるか?
A耐熱シール材、ロックウール、特殊耐火充填材、耐熱レジン材、けい酸カルシウム板、特殊耐火板、延焼防止塗料、延焼防止シート等があります。
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Q
性能評価書に記載されている材料と同種類の材料であって、メーカーの異なる材料を使用した場合、大臣認定工法といえるか?
A性能評価書に記載されている材料が使用され、その通りの工法が実施されてはじめて大臣認定工法といえます。従って、同種、同性能であってもメーカーの異なるものを用いた場合は大臣認定工法とはいえません。
但し、けい酸カルシウム板とロックウールについては建設省告示第1400号に従う材料であれば使用できます。 -
Q
大臣認定工法を認定通りに施工した上で、追加措置をしても良いか?
A基本的に大臣認定工法の性能を損なわない追加措置は許されます。例えばケーブル延焼防止塗料の塗布等。
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Q
防火区画貫通部措置工法に使用されている材料にアスベストは含まれているのか?
A現在加盟各社が販売している製品にアスベストを含有しているものはありません。
過去の製品の一部にはアスベストを含有しているものがあります。区画貫通部措置について解体・改修を行う際は、当該各社に確認の上、適正に処置してください。
当協議会ホームページにも、アスベスト含有製品について説明をしております。ご参照ください。
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Q
ロックウールとアスベストはどのように違うのか?
Aロックウールは岩綿とも呼ばれ、工業製品です。アスベストは石綿とも呼ばれ、天然鉱産物で異なるものです。
ロックウールは、けい酸質岩石、玄武岩、石灰岩、スラグ等の溶融物より生成された非結晶ガラス質繊維です。一方、アスベストは蛇紋岩や角閃石に地殻変動などの原因で熱水が作用し、霜柱上に自然に結晶質化した繊維で、微細な小繊維の束からなっています。